新型ハスラーの加速性能など主要スペックと、乗り心地について徹底リサーチ!!
話題の人気車種、新型ハスラーのスペックを分析してみましょう。
クルマとは元来、スペックや数値だけでは測れない奥の深い乗り物です。
乗り心地や加速特性など人それぞれに好みがあるからに他なりません。
しかし、スペックや数値が羅列されている、いわゆる主要諸元を眺め、どんなクルマなのか、乗る前から想像をめぐらすのもクルマ好きにとっての楽しみの一つですよね。
また、良く読み解いていくと開発者やメーカーの新型ハスラーへの思いや、乗り方の提案なんかも見えてくるから不思議なものです。
そこで今回は新型ハスラーの主要スペックから分かる、加速性能や乗り心地を分析し、実際のオーナーさんの口コミをと整合をとりながら見ていくことにしましょう。


新型ハスラーのスペック
ハスラーはクルマの性格上、スペックで語る種類のクルマではありません。
しかし、スペックを見ていくことにより、その車に込めたメーカーの思いや狙いが詳しく分かってきます。
グレード別のスペックや、先代ハスラーとの比較を交えながら見ていくことにしましょう。
新型ハスラーのエンジンスペック
新型ハスラーのエンジンラインナップは2種類。
ハイブリッド 自然吸気(NA)エンジンとハイブリッドターボです。
NAエンジンのスペック
エンジン | 型式 | R06D型 | ||
---|---|---|---|---|
種類 | 水冷4サイクル直列3気筒 | |||
弁機構 | DOHC12バルブ吸排気VVT | |||
内径×行程(mm) | 61.5×73.8 | |||
総排気量(L) | 0.657 | |||
圧縮比 | 12.0 | |||
燃料供給装置 | EPI(電子制御燃料噴射装置) | |||
最高出力(kW/rpm)ネット | 36<49PS>/6,500 | |||
最大トルク(N・m/rpm)ネット | 58<5.9kg・m>/5,000 | |||
燃料タンク容量(L) | 27 | |||
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
先代ハスラーのNAエンジンは、最高出力52psを発生していましたが、新型は49psと数値的にはパワーダウンしています。
しかし実際に乗ってみると、パワーの違いは何ら感じられません。
今回のNAエンジン(R06D型)は、燃費効率をアップさせたりや排ガスをカットするための先進技術が詰め込まれた新開発のエンジン。
これからのスズキ車の中心となる次世代エンジンが、新型ハスラーに真っ先に搭載されています。
ターボエンジンのスペック
エンジン | 型式 | R06A型 | ||
---|---|---|---|---|
種類 | 水冷4サイクル直列3気筒インタークーラーターボ | |||
弁機構 | DOHC12バルブVVT | |||
内径×行程(mm) | 64.0×68.2 | |||
総排気量(L) | 0.658 | |||
圧縮比 | 9.1 | |||
燃料供給装置 | EPI(電子制御燃料噴射装置) | |||
最高出力(kW/rpm)ネット | 47<64PS>/6,000 | |||
最大トルク(N・m/rpm)ネット | 98<10.0kg・m>/3,000 | |||
燃料タンク容量(L) | 27 | |||
使用燃料 | 無鉛レギュラーガソリン |
ターボ車は、先代ハスラーと同じエンジン(R06A型)を採用。
最高出力は軽自動車自主規制枠いっぱいの64ps、最大トルクは0.3kgアップしています。
また、中低速を重視したターボが採用されており、いわゆるダウンサイジングターボの概念に基づき、1Lエンジン並みのトルクと自然なレスポンスが両立されています。
NAエンジン用モータースペック
モーター | 型式 | WA04C | ||
---|---|---|---|---|
種類 | 直流同期電動機 | |||
最高出力(kW/rpm) | 1.9<2.6PS>/1,500 | |||
最大トルク(N・m/rpm) | 40<4.1kg・m>/100 | |||
動力用主電池 種類 | リチウムイオン電池 |
ターボエンジン用モータースペック
モーター | 型式 | WA05A | ||
---|---|---|---|---|
種類 | 直流同期電動機 | |||
最高出力(kW/rpm) | 2.3<3.1PS>/1,000 | |||
最大トルク(N・m/rpm) | 50<5.1kg・m>/100 | |||
動力用主電池 種類 | リチウムイオン電池 |
ハイブリッドシステム(ISG)は、バッテリー容量こそ先代ハスラーと同じですが、NAエンジン、ターボエンジン用それぞれのモーターの出力アップが図られています。
NA用は、1.6kwから1.9kwへ。
ターボ用は、1.6kwから2.1kwと大幅に向上しています。
新型ハスラーの足回りスペック
足回りのスペックは、NA、ターボ車共通です。
しかし、2WD車と4WD車でリアの懸架方式が違っています。
懸架装置 | 懸架方式 | 前 | マクファーソンストラット式コイルスプリング | |
---|---|---|---|---|
後 | トーションビーム式コイルスプリング | I.T.L.式コイルスプリング | ||
スタビライザー形式 | 前 | トーション・バー式 | ||
後 | トーション・バー式 | — | ||
タイヤ | 165/60R15 77H |
先代ハスラーは2WDも4WDも全く同じ懸架方式だったのですが、新型ハスラーは2WD車のみ、トーションビーム式コイルスプリングへ変更されています。
今回2WD車に新たに採用されているトーションビーム式コイルスプリングはオンロード指向で乗り心地を重視したものです。
先代ハスラーと新型の4WD車のみに採用されているI.T.L.式コイルスプリングはオフロード指向の車に向いています。
つまり、新型ハスラーは2WDと4WDで足回りの性格を分かりやすく区別化したことを意味するのです。
また、新型ハスラー全車の基本骨格に、軽量化と高剛性を両立した「HEARTECT(ハーテクト」が採用されており、操縦安定性や乗り心地の向上、静粛性にも寄与しています。
新型ハスラーのブレーキスペック
NAエンジン車
ブレーキ | 主ブレーキ形式 | 前 | ディスク | ベンチレーテッドディスク |
---|---|---|---|---|
後 | リーディング・トレーリング | |||
制動倍力装置 | 真空倍力式 | |||
制動力制御装置 | ABS[EBD付] | |||
駐車ブレーキ形式 | 機械式後2輪制動 |
ターボエンジン車
ブレーキ | 主ブレーキ形式 | 前 | ベンチレーテッドディスク | |
---|---|---|---|---|
後 | リーディング・トレーリング | |||
制動倍力装置 | 真空倍力式 | |||
制動力制御装置 | ABS[EBD付] | |||
駐車ブレーキ形式 | 機械式後2輪制動 |
ブレーキはターボ車とNAの4WD車は、前輪はディスクより強力なベンチレーテッドディスクを採用。
後輪はいずれも、リーディング・トレーリング(ドラム)になっています。
新型ハスラーの動力性能に対して、必要十分なブレーキを兼ね備えているようですね。
補足:EBD付ABSとは・・・
ブレーキをかけたときにタイヤロックを防止するABS(アンチロック・ブレーキ・システム)機能に、走行状態によって最適な制動力配分を行うEBD(電子制御制動力配分システム)機能を加えたもの。
新型ハスラーの寸法・重量スペック
NA車
寸法・重量 | 全長(mm) | 3,395 | ||
---|---|---|---|---|
全幅(mm) | 1,475 | |||
全高(mm) | 1,680 | |||
室内寸法(mm) | 長さ | 2,215 | ||
幅 | 1,330 | |||
高さ | 1,270 | |||
ホイールベース(mm) | 2,460 | |||
トレッド(mm) | 前 | 1,285 | ||
後 | 2WD:1,300/4WD:1,290 | |||
最低地上高(mm) | 180 | |||
車両重量(kg) | 810 | 860 | ||
乗車定員(名) | 4 |
ターボ車
寸法・重量 | 全長(mm) | 3,395 | ||
---|---|---|---|---|
全幅(mm) | 1,475 | |||
全高(mm) | 1,680 | |||
室内寸法(mm) | 長さ | 2,215 | ||
幅 | 1,330 | |||
高さ | 1,270 | |||
ホイールベース(mm) | 2,460 | |||
トレッド(mm) | 前 | 1,285 | ||
後 | 2WD:1,300/4WD:1,290 | |||
最低地上高(mm) | 180 | |||
車両重量(kg) | 830 | 880 | ||
乗車定員(名) | 4 |
NA車とターボ車の違いは車重のみ。
ターボ車の方が20kg重くなっています。
また、2WDと4WDの違いは、4WDの車重が50kg重くなっており、同じく4WD車の後輪のトレッド幅が10mmだけ短くなっています。
先代ハスラーと比較してみると、全長、全幅、車重は同じなのですが、室内長55mm、室内幅35mm、室内高20mm、内寸がそれぞれ大きくなっています。
わずか数センチとお思いになられるかもしれませんが、実際に乗って見ると数値以上にゆとりを感じることが出来ることでしょう。

新型ハスラー燃費スペック
続いて気になる燃費も見てみましょう。
表の左側が2WD、右側が4WD車となっています。
NAエンジン
性能 | 燃料消費率(km/L)![]() (国土交通省審査値) |
25.0 | 23.4 | |
---|---|---|---|---|
市街地モード(WLTC-L) | 22.9 | 22.1 | ||
郊外モード(WLTC-M) | 26.4 | 24.1 | ||
高速道路モード(WLTC-H) | 25.1 | 23.5 | ||
燃料消費率(km/L)![]() |
30.4 | 27.8 |
ターボエンジン
燃料消費率(km/L)![]() (国土交通省審査値) |
22.6 | 20.8 | |
---|---|---|---|
市街地モード(WLTC-L) | 19.7 | 18.5 | |
郊外モード(WLTC-M) | 24.4 | 22.3 | |
高速道路モード(WLTC-H) | 23.0 | 21.0 |
最近の燃費計測方式は、従来のJC08モードではなく、より実際値に近いWLTCモードで測られています。
それで見ると、2WD車はNAが25.0km/L、ターボが22.6km/Lとなっています。
先代ハスラー2WD・NA車のカタログ燃費はJC08モードで27.8km/Lでした。
一方の新型ハスラーは同じ2WD・NA車、JC08モードで30.4km/Lとなっています。
新型ハスラーの方が2.6km/Lも燃費が向上したことになります。
これは新開発されたR06D型の賜物と言って良いでしょう。

新型ハスラーの加速性能
加速性能の指針として0-100km/hの加速タイムを用いて判断することが一般的です。
新型ハスラーNA車の0-100km/の加速タイムは17.8秒。
一方のターボ車は13.7秒。
比較対象がないと加速が良いのか悪いのか分かりにくいので、先代ハスラーや他の軽自動車のタイムも見てみましょう。
車種 | 0-100kmタイム |
先代ハスラー ターボ車 | 12.0 |
先代ハスラー NA車 | 17.0 |
ホンダ・N-ONE ターボ車 | 12.2 |
ダイハツ・ムーブ ターボ車 | 13.5 |
日産・デイズ NA車 | 18.7 |
スズキ・アルトワークス | 11.3 |
残念ながら加速タイムはNA車もターボ車も先代より遅くなっています。
その要因は、CVTのギア比の問題、燃費重視を優先した結果というところでしょう。
実際に乗って不満のない十分な加速性能と扱いやすさを持っていますので、個人的には新型ハスラーを選ばない積極的な理由にはならないと思っています。
ここで実際の新型スイフトのオーナーさんの加速に対する口コミも見てみる事にしましょう。
・出足の一転がり二転がりのモーターアシストとターボとで、加速も良く坂道も苦にせずグイグイ登ります。(2WD・ターボ)
・NAですが街乗りでは全く問題なしです。というよりいいです!高かなりモーターアシストも効いている様で快適です。(2WD・NA)
・スムーズに加速し、街乗りではもちろん、高速でも余力があります。(4WD・ターボ)
・上り坂でのトルクも強く、快適である。先代より向上している。(2WD・NA)
・新型CVTやマイルドハイブリッドのISGとのマッチングが素晴らしくて、新型ターボエンジンと言われても不思議に思わないくらい良くなっています。(4WD・ターボ)
・静かで、自分の走っている時の速度ともマッチングしていて快適です。(4WD・NA)
・低速域からしっかりトルクが効いて、スムーズに加速していきます。これは本当にびっくりさせられました。(4WD・ターボ)
十分に満足されているオーナーさんが多いようですね。
ハスラーというキャラクターのクルマには、絶対的な速さの上での加速力は必要ないと思います。
速い軽自動車に乗りたい方は、軽最速タイムのアルトワークスを選びましょう(笑)。

新型ハスラーの乗り心地
試乗して実感した事ですが、新型ハスラーの乗り心地と静粛性は明らかに先代ハスラーより良くなっています。
それはスペックや技術的にも裏付けされています。
2WD車にトーションビーム式コイルスプリングが採用されたのは、オンロードでの乗り心地を重視した結果です。
スズキの新プラットフォーム「ハーテクト」による剛性アップも大きく貢献乗り心地や剛性アップに貢献しています。
また、スペック表には記載されていませんが、構造用接着剤を使用しボディパネルの連続性を高められ、軽自動車にありがちなガタピシ音を防ぎ、さらなる剛性アップにも貢献しています。。
では実際に新型ハスラーのオーナーさんが、乗り心地についてどのように感じているのか、口コミをまとめてみることにしましょう。
・マイルドでしっとりしていてドタドタしたところが全く無くて素晴らしいです。(2WD・ターボ)
・家の周りで今まで感じていた不快な突き上げ感も全く感じず快適です。(2WD・NA)
・先代と比べて、抜群に良くなっている。軽自動車にこれ以上の乗り心地は望めないのではないだろうか。(2WD・NA)
・旧型では最後まで気になった後輪の突き上げや後席の乗り心地の悪さなども、新型ではかなり改善されたと思います。静粛性の向上は特筆もの。(4WD・ターボ)
・フロントの乗り心地は問題ありません。軽自動車として考えた時にここまで上質なら問題はないでしょう。(4WD・ターボ)
・素晴らしくよくなっています。旧型より。新型シャーシの影響が大です。(2WD・NA)
・新世代骨格ハーテクトと構造用接着剤等が効いてるのでしょう。先代のユーザーなら確実に変化に気づくレベルです。スズキは先代のハスラーユーザーに謝罪するレベルです。
・座高が高く見晴らしがよく、シートも自分のお尻にフィットするので満足です。(4WD・NA)
先代ハスラーは乗り心地について、突き上げ感や不快なガタピシ音などの不満を感じるという意見が多かったのは事実。
新型ハスラーではそのような問題点はすべて払拭されているようですね。

新型ハスラーのスペックと加速性能&乗り心地 まとめ
新型ハスラーの主なスペック、加速性能や乗り心地について見てきました。
技術の進化に伴い確実に進化を遂げているな、という印象です。
新開発のエンジンにISG、ハーテクトなどの新技術が詰め込まれており、良いクルマに仕上がらない訳がありません。
新型ハスラーは軽自動車とはいえ、決してお安いお値段ではありません。
これくらいのスペックや性能、完成度を持っていないと、逆にがっかりしてしまいますよね。
今回のスペックや加速性能、乗り心地の調査の結果、新型ハスラーは安心して購入を踏み切れる、高いレベルのクルマだと言って良いでしょう。


